3/6 昼飯時:かなり本気で勘弁してくれ


それでは午後のお話です。
まぁ、午前中に金鯱が見れなくて若干鬱が入っていましたけど、まぁ、それでこのまま帰るというのも
どうかと思い、ちょいと久しぶりに名古屋をぶらつくことにしました。

しかも今日は父親同伴で車を使っているため交通費はタダ。
あぁ、私も早く車が欲しいものです。


それはそうと、時間は13時を少し回ったところ。
ちょうど腹も空いてきたので昼食を食べることにしました。
父親の提案で、近くの美味いうなぎの店に食べに行くことに。



えぇ、そりゃもう絶品ものでしたよ。
一言で表すなら、美味としか言いようがないぐらい美味なうな重でした。
味もボリュームも文句なし!






だけど、一つだけ問題がありました。


それは……





値段!!




だってさ……




うな重二つで
4850円(税込み)ってどういうことだYO!!



そりゃさ、これだけ美味けりゃ文句はないけど、こんな上等な昼飯なんて食べたことはないよ……。





伝票を見て顔面蒼白でわなわな震えている私を見て父親が一言。

「まぁ、安心しろ。昼飯代くらいは俺が出してやるから。せっかく
ニートやっているお前が外に出
てきたことだしな」

注:ニート
(Not in Employment, Education, or Training の略称。)無業者。雇用されておらず、学業もしておらず、
職業訓練も受けていない無業者のことを指す。若者に多く、引きこもり問題と深く関連している。
(フリー百科事典「ウィキペディア」より抜粋)



アンタさぁ、同じことを何度も言いたくないけどさぁ……いい加減、正しい意味と用法を覚えろよ。
だから、私は若干引きこもりがちな学生なだけだってば……。



まぁ、支払いは父親がやってくれるということなので、私は安心してお茶を一杯。
いやぁ〜、他人の支払う高価な食事というものはどうしてここまで美味なものなんでしょうね。



そしてお会計。

店員、
「うな重二つで4850円になります」



「あぁ〜……ちょっと待って下さいね」
ん? どうした? ほら、さっさと支払えよ父親。
さっきからポケットを慌しく探り始めた私の父親ですが……一瞬、悪寒が私を包みました。

そして、よぎった悪い予感。

こういうときの悪い予感って、大抵当たるんですよね、私って……。


「なぁ、悪いんだけどさ……」


ほら来た……。


「財布を家に置いてきたらしいから、代わりに支払ってくれ」




……ベタでお約束な展開、どうもありがとうマイファーザー。



私は溜め息を吐きながら財布から5000円札(樋口一葉の新札)を店員に。
そんな私を尻目に父親はレジにおいてあったハッカのアメ玉を舐め始めました。

アンタ、名古屋城の入場料、大人2人で1000円を私に出させたのも同じ理由かい……。



店員、
「150円のお返しです、ありがとうございました」


返ってきたのは150円(当たり前だけど


再び溜め息を吐きながら、返ってきた150円をゲーセンで使うか否かを考えている最中のことです。
レジで私の会計をした店員がいきなり、

「ねぇ、なんでこんなとこにいるの?」

……っと、いきなり声をかけてきました。



……へ?
そりゃぁ、うなぎを食べに来たから私はここにいるわけで、他に理由はありませんけどね。

そんな感じで目の前で一体何が起きているのか理解できないでいるうちに、店員さん(女性の方です)
が話を進めていきます。

「いつこっちに帰ってきたの? 今のってお父さん?」


……帰ってきた?
そりゃ、確かに私は北陸からこっちに帰ってきましたけど、なんで貴女がそんなことを知っているので
すか?

……ん?


……………ちょっと待って。


オィ、まさか……






貴女、私が高校3年生だったときのクラスメイトじゃん……。




いやぁ〜、高校は特定の男友達としか付き合いがなかったし、あまりクラスが好きでなかったので今
の今まで忘れていましたよ、ハハハ(乾いた笑い

正直、クラスの女子とはまったくと言っていいほど、繋がりがなかったものですから……。



「そう言うそちらこそ、なんでこんなところに?」

「そりゃぁ、バイトだけど」

「へぇ〜、バイトねぇ……」


こんな感じで会話をしていたのですが、ここで思い出したことが一つ。


いや、とりわけ特別なことではなく、それほど重要なことじゃありませんけどね。




今日って「どうせ私の知り合いとは会わないだろう、ってか会っても無視するし」なんて考えていたた
めに、ヒゲも剃らず(1週間近く伸ばしっぱなしでかなり伸びてます)、寝癖をそのままにしてきたので
例えるならスーパーサイヤ人、ただしまったくやる気が感じられないような中途半端な逆立ちでボサ
ボサな髪型をしていたのを思い出しただけですよ。


流石にこういうシチュエーションに巻き込まれるとは完全に予想外でした。

まぁ、なんか急に恥ずかしくなったので、

「へぇ〜、そうだったの。それじゃ、ご馳走様」

っと無難に店を後にしました。


身だしなみは、常に気を配りましょう。


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